内科疾患について
診療内容について
- 一般内科
- 消化器内科
- 肝臓内科
- 内視鏡内科
アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー性鼻炎には、原因物質(アレルゲン)によって、通年性のアレルギー(ハウスダストやカビなどが原因)と、季節性のアレルギー(スギやハンノキ、ブタクサなどの花粉や、蛾(ガ)の鱗粉などが原因)があります。
これらの、花粉症の治療には、大きく分けて3つあります。
薬物療法(内服薬、点鼻薬、点眼薬)
薬物療法のうち、内服療法では、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)、抗ロイコトリエン薬、ステロイドなどがあり、点鼻や点眼では、抗ヒスタミン薬やステロイド、血管収縮剤(点鼻のみ)などがあります。
減感作療法
減感作療法は、少量のアレルゲンを定期的に注射していき、それに対する過剰な反応を減らしていく方法です。この場合、長期間(約2~3年)の治療が必要で、治療を行ったアレルゲン以外に対しては無効で、場合によっては「アナフィラキシー」と呼ばれる、過激な反応を起こし、命に係わる場合があります。
手術療法
手術療法は、鼻づまりの症状が強い方に適応となります。鼻粘膜にレーザーを照射し、鼻のアレルギーを起こす場を減らし、鼻粘膜のアレルギー反応を鈍くしようとする治療です。季節性アレルギーの方は、その季節の前に治療を終わらせておくのがいいようです。
減感作療法や手術療法は、耳鼻科の専門医が行う治療であり、当院では薬物治療を行っています。
インフルエンザについて
インフルエンザを予防するには、ワクチンの接種が重要ですが、普段の生活の中でうがいと手洗い、マスクの着用も重要です。
当院での診断は、鼻に綿棒のようなブラシを挿入し、鼻腔粘液を採取し、検査キットで判断します。判定までにかかる時間は、10分程度ですが、陽性の場合は、数秒で判断できる事もあります。
ただし、発熱後、12時間以内で検査を行った場合、診断率が低く、インフルエンザであっても陰性と判断される場合もあります。
一方、インフルエンザの特効薬である、抗インフルエンザ薬は、ノイライミダーゼ阻害薬といって、体内でインフルエンザウイルス(A型、B型)を増やさないようする薬です。
抗インフルエンザ薬は、内服のタミフル、吸入薬のリレンザとイナビル、点滴のラピアクタの4種類があります。
妊娠中・授乳中の患者さんへの投与…タミフルでは動物実験で特段の催奇形性作用は認められていません。また、人での催奇形にかかわる報告も今のところないようです。妊娠中にインフルエンザにかかった場合、普段よりも重症化するおそれがあり、またおなかの赤ちゃんにもよくないためです。これを受けて、日本でも、妊婦さんにも投与が勧められています。
また、当院では、授乳中の方でも、基本的には抗インフルエンザ薬を服用していただき、授乳も継続してよい、とお話ししています。なお、母乳への移行が気になる場合は、服薬後約24時間で血中濃度はほぼ0になるので、服用後24時間経過してから再開すれば問題はありません。
逆流性食道炎
胸焼け、胸のつかえ感などの症状はありませんか?
これらの症状で受診され、「逆流性食道炎」と診断される患者さんが増えています。
逆流性食道炎は、食道と胃のつなぎ目にある「下部食道括約筋」が、食事の欧米化(脂肪やたんぱく質の多い食事)や加齢、肥満、ストレスなどの原因により働きが悪くなり、胃の内容物が食道に逆流し、胃酸に弱い食道の粘膜がただれ、炎症を起こしてしまう病気です。
症状としては、先に挙げた、「胸焼け」、「胸がつかえる感じ」のほかに、「胸の痛み」「口の中が酸っぱい感じがする」などがあります。
診断としては、内視鏡検査を行い、食道がんなどの否定を行い、食道の発赤やびらんを確認することが重要です。内視鏡の所見によって、グレード N、M、A、B、C、Dと分類されます。内視鏡的に所見がない場合も、胸焼けなどの症状があればグレード Nと診断されます。
逆流性食道炎は、生活習慣を改善することで症状を緩和させることが可能です。
注意点
脂肪分やたんぱく質の多い食事を摂りすぎない。(その他、甘いもの、香辛料、酸味の強い果物なども原因になります)
- 一度に摂る食事の量を減らす。
- アルコールや、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインを控える。
- 肥満の解消。
- 寝るときに少し上半身を高くして寝る。
- 食後3時間くらいは横にならない。寝る前に食事をとることを避ける。
- お腹を締め付けない。
- 禁煙する。
などが挙げられます。
便潜血について
陽性と診断された場合
検診で、便潜血陽性を指摘されることがあります。通常、口から入った食べ物が、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を経て、肛門から便として排泄される課程で便に血液が混じることはありません。便潜血の検査は、主に、大腸からの出血の有無をみることが目的です。
「便潜血検査」とは、専用の容器に便を少しつけて提出し、便の中に血液が混ざっていないかどうかを調べる検査で、2回の検査のうち1回でも陽性となれば、精密検査が必要です。
便潜血が陽性であっても、すべての方に重大な病気があるわけではありません。
大腸に、ポリープやがん、炎症性腸疾患、痔などの、出血する病気があれば便潜血が陽性となりますが、便潜血陽性と判定される割合は決して高くはないため、たとえ便潜血の再検査をして陰性になったとしても、「大腸がんがない」との診断はできません。
1回でも便潜血陽性と判定されれば、大腸がんの可能性が否定できませんので、精密検査をお勧めします。
大腸の検査には、肛門から内視鏡を入れて大腸を内側から観察する「大腸内視鏡検査」と、肛門から造影剤(バリウム)と空気を注入して大腸全体をレントゲンで撮影して観察する「注腸造影X線検査」(「下部消化管X線造影検査」ともいう)の2種類があります。
厚生労働省のホームページでは、「精密検査は、(1)全大腸内視鏡検査、もしくは(2)S状結腸内視鏡検査と注腸造影X線検査の併用、の2通りの方法が推奨されている。」と記載されていますが、どちらにしても、大腸内視鏡を受ける必要があります。
(1)の全大腸内視鏡検査は、1回の検査で大腸全体を内視鏡で観察します。
(2)の場合は、大腸の中のS状結腸と直腸という、最もがんの発生が多い部分を内視鏡で観察し、その奥は、別の日にバリウムを用いた注腸造影X線検査で検査を行い、所見があれば、再度、内視鏡検査を行うことになります。
前処置などによる苦痛や、検査に要する日数や時間などを考慮して、全大腸内視鏡検査をお勧めします。
当院における大腸内視鏡検査では、小さな病変であれば、その場で検査を兼ねた治療(切除)を行うことができます。
便潜血陽性と言われたら、まずは一度、お気軽にご相談ください。